平成14 (2002) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨2002年11月08日 (金) 16時43分 Web 掲示板投稿

 

  

コロキウムE班(川崎能大 黒坂恵美 能戸敬子) 予告

来週のコロキウムのテーマは「恋愛」です。

人はなぜ恋愛をするのでしょうか?
本当にその人の事が好きですか?
その恋愛は社会に規制されているのではないですか?

皆さん恋愛について熱く議論しましょう!

 

 

 



発表報告2002年11月15日 (金) 15時35分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウム 報告書

発表日 2002年11月14日   場所 G41教室 
発表者 川崎能大 黒坂恵美 能戸敬子   指導教官 山本昭彦

テーマ「恋愛」

レジュメの要約

 レジュメとしては、なぜ「恋愛」というテーマを選んだのかについて説明し、以下の3点にわけて 説明した。

1辞書からみた恋愛

  「恋愛」とは男女が互いに相手を恋い慕うこと。また、その感情。こい。

 loveという語が「恋愛」として使いはじめられたのが、明治22年頃で他に「愛恋」等が当てられていたが、統一されたのは明治40年頃で夏目漱石の「虞美人草」の中で「恋愛」という言葉が用いられ流行したのがきっかけである。

2強迫観念とマニュアル化、

  日本における恋愛観念の変遷、これは家制度の成立と明治期のキリスト教の輸入、第二次世界大戦後が観念の転換期と言える。結婚や恋愛の規制に関する法律、これは姦通罪、近親婚の禁止、淫行罪などがある。現代における恋愛のマニュアル化、これはTVや映画、雑誌等によって恋愛の形の統一化がすすめられ、また、「恋愛をしなければ」という強迫観念に囚われやすくなる事について説明した。

3論点

  以上から、恋愛は社会の各要因によって作り上げられた幻想であろうか?

 

議論の内容

 恋愛は、社会によって作られたものではないか?という事を論点として挙げたつもりだったが、説明の段階において恋愛の定義づけが少なかったため「恋愛とは何か?論点はどこか?」といった質問が最初に出された。
 議論の流れとしては、恋愛の定義づけ(ここでの「恋愛」とは現代の若者がするものに限定)から始まり、恋愛が社会によって作り上げられている例として、修学旅行の前後にはカップルが増える、クリスマスやダンスパーティーはカップルでなければならない風潮などが挙げられ、このようなイベントに合わせて恋人を作ろうとするのは本当に相手を「好き」と言えるのか、という議論に移っていった。イベントに合わせて恋人を作る背景には「寂しいから」と、「イベントを利用して告白する」という2面性が挙げられた。また、成長するうちに家族→友人→恋人という風に共に行動する人が変化していく傾向や、日本の若者のアメリカ化(ダンスパーティーの例)も挙げられた。
 これらの事から考えられるように、恋愛はその時代の社会観念によって大きく影響されている事がわかった。しかし社会に影響されているからといって、誰かと恋愛するという事は人間の本能が大きく関わっているのてはないかという意見がでた。人間の性欲を法律や制度、社会観念などでろ過したものが恋愛となるので、恋愛と性欲は切り離せないものであるという意見があがった。
 また、人間は孤独な存在という事を本能的に知っており、自分と心が通いあう誰かを求める事を社会によって気づかされるという意見も挙がった。

 

感想

 発表者側の説明が足りず、こちらの意図した事が伝わらなくて悲しかったです。思ったより難しいテーマだったかも知れません。身近な事であったため、学生からもっと多くの意見が得られると思ったのですが、諸先生方からの意見が多く出されました。また、恋愛に関する考え方も学生と先生の間で違いが見られ、恋愛観が変化しているという事を実感できました。