平成14 (2002) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨2002年12月09日 (月) 13時07分 Web 掲示板投稿

 

  

テーマ:健康食品・健康ブーム

 コンビニエンスストアでは様々な種類のサプリメントが並べられ、「健康」をテーマとしたテレビ番組は高視聴率を得ています。このような状況は、「健康」を求める人々の願望を反映しているのと同時に、異常なまでの「健康」への執着にも見えます。健康食品による弊害も実際に起きています。
 今回は、「そもそも健康食品とは?」、「今なぜこんなにも健康ブームになっているのか?」「健康への執着」といったことについて議論していきたいと思います。

 

 

 



発表報告2002年12月13日 (金) 14時01分 Web 掲示板投稿

文化論コロキウム 報告書

テーマ:『健康食品・健康ブーム』

発表日:2002年12月12日
発表者:高橋、長津、杉浦、熊谷
担当教官:菊地良夫先生

 

◎質問事項

・特定の年齢層が健康食品を購入するのか?
 →正確なデータはないが、若者から主婦層、高齢者まで幅広く購入している。

・自分が健康でないと思っている人はどれくらいいるのか?
 →これもデータがないが、「健康であるとはいえないが、病気というわけでもない」という「半健 康人」が多いのではないか。

・美容も健康に入るのか?→皮膚などの健康も入れる。

・自然食と健康食品は区別しないのか?→ここでは同じ種類のものとして扱う。

 

◎議論の内容

 健康ブームの火付け役が企業であるということは明確だが、なぜ人々はそれに乗ったのか。その理由のひとつは、メディアによる健康情報の氾濫である。数多くのテレビ番組雑誌記事によって人々は健康に関する情報を入手し、信用している。また、食生活が豊かになったことで健康の基準が上がり、理想の健康に近づこうとする傾向の現れであるともいえる。
 健康であることは誰もが望む事であるが、それが他の何かをするための手段ではなく目的になっているのではないかという意見が出た。それに対して、遠い将来のことを考えて健康を意識するというよりは、目の前のことに対処するためにまず健康でないといけないという意見があった。また、健康になっても何をしたいのか分からない、すべきことが分からないのではないかという意見も出た。これは、今の時代を反映した心の病ともいえるかもしれない。
 また、健康食品に特に興味や関心を示す人は、時間に余裕のある人なのではないかという意見が出た。確かに、お昼の健康情報番組を見て、すぐさま健康に良いとされる食品を買いにスーパーに走る主婦がいることは事実である。それに対して、逆に時間的余裕が無く食事に気を配れない人が、栄養補給を健康食品に頼っているという状況もあるという意見も出た。また、アメリカ人は栄養のバランスを薬に頼っているということから、日本人の食生活もさらに欧米化しているのではないかという意見も出された。

 

◎反省

 今回は健康ブームを取り上げたのだが、『ブーム』ということを裏付けるデータがなかっため、実際にブームになっているのかの信憑性に欠けていた。また、『健康』というものの客観的概念が確立されていなかった。学生、教官が意見を述べる時に、その点が突っかかりとなってしまい、議論があまり発展しなかった。やはり、言葉の定義は議論する上で重要であると感じた。