平成15 (2003) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2003年10月27日 (月) 16時49分 Web 掲示板投稿

 

  

 今週10月30日の文化論コロキウムのテーマは「スポーツファンから見る日本人の気質」です。

 今年のプロ野球では、阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を決め、さまざまな社会現象が巻き起こりました。去年は、日韓共催のワールドカップが開催され、これも日本中を熱狂の渦に巻き込みました。この中で、必ずといっていいほど見かけることができるのが、「にわかファン」、「アンチ」の存在です。
 マスコミなどで取り上げられると、われもわれもといった感じで飛びつき、お祭りのように大騒ぎし、ブームが去るとなにもなかったかのように忘れてしまう。なんかもう頭悪いですよね。こういったところに、日本人の気質というか、実態というかが表れていると思いませんか? 今回のコロキウムではこのことについて話し合ってみたいと思います。

 



発表報告2003年11月06日 (木) 16時51分 Web 掲示板投稿

 

 

 文化論コロキウムK班報告書

 2003/10/30
 発表者:佐藤徳洸 下家美里 浅利純子
 担当教官:佐竹正一

 

 今回のコロキウムでは、『スポーツファンから見る日本人の気質』と題して、現代の日本人の傾向・気質を探ろうという意図で発表をしました。論点は『日本人のスポーツに対する態度はどうなのか?を、主に今年の阪神タイガースの活躍から考えてみよう』と設定しました。

◎話し合いの流れ

 コロキウム前半は、レジュメに関する質問を中心に話し合いが進みました。論点に深く関わる質問が多くでたために、半分は本論に食い込む形でそのまま後半の議論にはいりました。
 主な質問・意見として、レジュメに載っている資料(情報)の出どころに関する質問・語の意味・定義に関する質問・1970年代という時代に関する質問・阪神タイガースに関する質問が出されました。
 人の発言を引用する場合にはその発言がいつなされたかも明らかにするべきである・人の発言はなされた時代や状況に左右されるので、その背景を十分踏まえた上で使うべきであるという指摘がありました。
 阪神タイガースに関する質問・70年代に関する質問には、資料不足の為にはっきりと答えられませんでした。70年代に失われた指標とは何か・60年代・80年代はどのような時代だったのかという質問から、年代論を中心に議論が始まりました。

 主な意見・見解として、70年代に注目すること自体間違っていないか・人の価値観が多様化したのは80年代からなのではないかという意見が出され、話題が年代論から論点に設定した『日本人の気質』についてへと移っていきました。
 議論の対象である「ファン」にもいろいろ種類があるから、対象を「にわかファン」に限定した方が話が進みやすいのではないかという意見から、主に「にわかファン」から見た日本人の気質についての議論になりました。日本人の気質が変わって価値観が多様化したのではなく、状況が変わることで自分の持っている価値観を示しやすくなり、本来持っている気質が現われたのではないか、その現れがにわかファンのように流されやすく群れたがる人々だと思う・「和」を求めるために周りに流されやすく、群れやすいのだと思う、といった見解が出されました。

◎反省点

 私たちとしては「日本人の気質」を本論として話し合いたいと考えていました。しかし今回は本論に入る前の段階での議論に時間の大半を使ってしまいました。本論を充分話し合う前に時間切れになってしまったので残念でした。その主な原因としては、70年代を話題にだす際に、時代の前後関係を全く視野に入れていなかった・阪神タイガースや70年代に関する資料を充分用意していなかった・スポーツファンというくくりが大きすぎて焦点が定まりにくかった、ということがあったと思います。