平成15 (2003) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨2003年11月27日 (木) 00時35分 Web 掲示板投稿

 

  

 12月4日のコロキウムのテーマは

    「パチンコはなぜ流行るのか」です。

 不景気な今の日本においても、パチンコは一大産業となっています。海外では類を見ないほどに発展したパチンコ産業、しかし、それほど発展しながらも、マイナスイメージがつきまとうのはなぜなのでしょうか。パチンコのルーツや、日本社会に浸透してきた過程を辿りつつ、みなさんと一緒に、パチンコについて議論したいと思います。

 



発表報告2003年12月17日 (水) 13時15分 Web 掲示板投稿

 

 

 コロキウムP班報告書
 発表日 12月4日
 発表者 永木秋穂 王佳 及川夏珠 伊東裕香
 担当教官 後藤尚人

 

○問題提起
 不景気な今の日本においても、パチンコは一大産業となっている。しかしなぜ、ここまでパチンコが流行るのだろうか。パチンコの起源や歴史をたどり、パチンコについての理解を深め、なぜパチンコが流行るのかを解明したいと考えた。

○発表形式
 パワーポイントやスライドを使用し、プレゼンテーション形式で発表を行った。パワーポイントと同じ内容の資料と、パチンコ産業の年表を配布した。

○発表内容要約
 初めにパチンコの起源を紹介し、次にパチンコが日本で発達してきた歴史を、「発生期」「第一黄金期」「第二黄金期」「不況期」「再生期」に分けて解説した。続いて、市場規模、社会的地位、抱えている問題等、現在のパチンコ業界の状態をまとめて示した。最後にテーマに対して三つの論点を提示し、それに対する自分達の見解を述べた。

○論点
 「パチンコはなぜ流行るのか」を、三つの論点(1)他のギャンブル(競馬、競艇、宝くじ等)に比べて一般の認知度が高く、流行っているのはなぜか、(2)マイナスイメージがあるにもかかわらず流行るのはなぜか、(3)海外では流行らなかったのに日本では流行ったのはなぜか、を設定して分析しようとした。発表者側の見解としては、論点(1)は、パチンコ店がどこにでもあり、一人で、自分の好きなときに好きなだけ遊べる、すなわち身近で手頃な遊びであること、論点(2)は、宣伝やイベント、環境改善、女性客獲得などの企業の努力、論点(3)は、導入された時期が戦後の暗い時代で、娯楽を求める庶民のニーズに合ったこと、規制を徹底しない公的機関の姿勢や曖昧さを好む国民的性格、というようにそれぞれ提示し、それに対する意見を求めた。

○議論の展開
 初めに発表に関する質問を受けたところ、パチンコのルールや機械に関するものが多かった。この後議論に移るが、このとき、パチンコをギャンブルとして捉えることをはっきりさせなかったため、議論に多少混乱が生じた。

 論点(1)の他ギャンブルとの比較については、相手が人間ではなく機械であり、気が楽であること、ルールが単純で、かつ店内の音などの環境から、何も考えずにできることなどがあげられた。
 論点(2)マイナスイメージについては、パチンコをする本人はあまり問題にしていないのではないかという意見が出た。
 論点(3)の海外との比較については、パチンコの、たくさんの人間が同じように並んでするという形態が一体感を感じさせ、集団行動を好む日本人の気質に合ったのではないかという意見が出、一方で外国で流行らなかった理由として、パチンコの形態が外国の好みに合わない、カジノに比べて刺激が小さいということがあげられた。

 議論を統合すると、パチンコの持つ特性が日本人の文化的性格とちょうどいい具合に合ったことが、テーマ「パチンコはなぜ流行るのか」に対する結論となった。

○感想・反省
 発表に関しては、パチンコをする人が班内に一人もおらず、また、当日の受講者にも経験者が少なかったため、パチンコをする人側の意見を得られなかったことが残念。資料や論点を充実させたいと思ったが、量が増えてしまい、かえって論点を拡散させてしまった部分もあるかもしれない。議論の際、スムーズに進行できなかったところもあり、反省する点はたくさんあると思う。