平成15 (2003) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨2003年06月07日 (土) 20時13分 Web 掲示板投稿

 

  

 6/12のコロキウムのテーマは、「飲み会」です。

 皆さん、お酒は好きですか?
 皆さんは飲み会をどんなときに誰としますか?
 普段は静でも、飲み会になるとたくさん話す人っていますよね。
 それってお酒が入ってるっていう理由だけなのでしょうか。
 「飲み会」というある種特殊な場面(空間)について、いろいろと議論してみましょう☆

 飲み会好きな人もそうでない人も、ふるってご参加下さい!!

 



発表報告2003年07月05日 (土) 07時52分 Web 掲示板投稿

 

 

コロキウムF班報告書

 テーマ:『飲み会』
 発表日:6月12日
 発表者:熊谷直美 王佳 佐々木恭子 水戸幸治
 指導教官:山本昭彦

◆話題提供・発表内容
 ここで取り上げた飲み会は、個人的な飲み会ではなく、新歓コンパや送別会といったある程度公的な飲み会であることを呈示した。飲み会を設ける目的は、組織の中での親交や信頼を深めることであるとし、酒の酔いの効果によってそれが助長されるとした。
 次に飲酒の歴史的変化について述べた。酒は、儀式に用いられた特別の日の飲み物から日常のありふれた飲み物へと変化した。それにより酒を飲む人たちの関係は、地域共同体から個人単位にも広がった。
 次に、飲酒が身体・精神に及ぼす効果を説明した。飲酒による最大の効果は、酔うことであり、漠然とした浮揚感と現実の実在感を弱める感覚を持つことである。酔っぱらう行為に対しては、欧米と日本では違いがある。欧米ではキリスト教の考えにより、酔っぱらうことは怠惰であるとされ、人前で酔っぱらうことは恥とされる。日本では、酒を飲めば酔い、酔えば日常生活を捨てることも大切な作法であるとされ、失言や無礼講も酒の席だということで許容される。中国では、たとえ上司であっても言いたいことを言うが、飲み会での失態はその人の人格として捉えられる。

 論点は、以下の二点を挙げた。
・飲み会(酔っぱらうこと)に対するイメージは?
・一次会と二次会の目的の違いについて

◆討論の内容・経過
 まず、4月に行われた文化システムコースの新歓コンパの感想を聞いてみたところ、参加した人からは、この飲み会を機会に先輩・後輩・教授と仲良くなれたという感想が多く、飲み会という場を借りて、普段のうっぷんを晴らしたという感想もあった。また、参加しなかった人からは、仲良くなるチャンスを逃してしまったという感想があった。普段学校で顔を合わせてはいても、気軽に話す機会はなく、親交を深める場を設けなければ親交を深めるチャンスはないのである。その際に酒による酔いがあったほうが、より親しくなりやすいのである。

 ―では、酔うことにはどのような精神的な効果があるのだろうか。欧米では、酔い=そのひとの人格の弱さを表すとされるが、日本では酔いは酒による当然の効果であり、むしろ酔うことが作法であるとも言える。酔うことによって本音が言えたり、緊張がほぐれ、楽しい気分になることができる。飲み会は日常を超えた空間である。
 →酔うことは、人の何を麻痺させるのだろうか。
   羞恥心がなくなる・理性を麻痺させる・モラルがなくなる・お酒=免罪符

 ―一次会・二次会の違いは?
  →一次会は儀式的、公式的であり、二次会は私的。

 一次会には、神に近づくための儀式としての飲み会の要素が残っている。二次会・三次会と続いていくのには、日常に戻りたくない、ずっとこの雰囲気を味わっていたいというカーニバル的な要素がある。

◆反省・感想
 皆が話しやすく議論が盛りあがるような話題として「飲み会」をテーマとした。調べていくうちに面白いことが色々見つかったが、議論として成り立つかという不安があり、論点設定に苦労した。だが、班の人数四人と多く、留学生もメンバーに加わっていたことにより、多角的な視点から考えることができてよかった。
 コロキウムでは、身近な話題だったため発言が多く、場は盛り上がったが、文化論としての議論にまでは発展させることが出来なかった。