テーマ:<「負け犬」について>
発表日:2004年11月18日
発表者:小野寺優 佐々木絵里奈 木村梓紗 丸屋佑太
指導教官:小林英信
1.テーマと問題提起
今年、「負け犬」が雑誌やメディアで話題となった。その発端は酒井順子著書の「負け犬の遠吠え」という本にあるようだ。なぜ結婚=勝ちとみなされるのかに疑問を発し考察しようと考えた。
2.発表内容
まず、「負け犬の遠吠え」の内容から「負け犬」と「勝ち犬」の定義を説明し「負け犬」というものを認識してもらった。その他に「負け犬の遠吠え」のあらすじやこの本に対する賛否両論を雑誌等から抜粋し考察の手がかりとした。また日本人男女の結婚観についても考察材料として報告した。
3.論点
なぜ、現在でも日本人女性にとって、結婚が勝ちとみなされるのか。
4.考察
・表面的には30代女性の結婚観が変わっているようでも、周囲の根本的な意識は変わっていないから。
・
30代以下の男女が「仕事」よりも「家庭」に価値をおくようになったから。
5.各グループの意見・見解
まず「仕事」よりも「家庭」に価値をおくようになったという点について数グループから疑問の声が挙がった。昔の名残で結婚というものの価値観が根強く残っているのではという意見や、老後や病気の場合の心配があるから、という意見が大部分を占めた。また、「例え結婚していなくても、パートナーがいれば「勝ち」なのでは」「結婚していても不幸なら負けではないか」という意見もあった。さらに、現在少子化が進んでおり、政府は結婚を奨励している。その政府の思惑と「負け犬の遠吠え」の本の内容とが合致しているためこれほどまでに話題となったという意見も出された。
6.議論の流れ
まずは、本当に話題となっていたのか、という意見から入り、なぜ女性だけが取り上げられるか、男性には「負け犬」が存在しないのか、という話になった。そして、結婚の目的や結婚に何を求めるのかという流れになり、最終的には勝ち負けの判断基準は何か、なぜ結婚は勝ちかという話になり論点の考察に入っていった。
7.まとめ
現代の30代男女は「家庭」よりはむしろ「仕事」に価値をおいている。また、幸せの価値観は多様化しており結婚するだけが幸せの社会ではなくなっている。仕事に価値を見出すことができるために結婚以外に「自己実現」などといった新たな幸せが生まれた。そのため未婚者は増えている。しかし、結婚だけが全てではない現在の社会で結婚=勝ちとみなされがちなのかといえば、これまでの社会の風潮として「結婚はよい事、結婚は幸せである」という認識があり、それがぬけていないからである。また、価値観が多様化した現在でも幸せの判断基準として「結婚」というものが大部分を占めているようである。
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