平成16 (2004) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2004年11月29日 (月) 13時22分 Web 掲示板投稿

 

  

 112月9日のコロキウムは、

   テーマ:『どうなの?日本のクリスマス』

で行います。

 ハロウィンやイースターなど、外来のお祭りでいまいちメジャーではないものはたくさんあります。一方で、「これってキリスト教のお祭りじゃないの?」と疑問を持ちつつも、つい毎年騒いでしまうクリスマス。何故これほどまでにクリスマスが日本に定着しているのか?みんなで話し合いましょう!

 



発表報告2005年01月19日 (水) 12時52分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウム F班報告書
テーマ:どう思う?日本のクリスマス
発表者:及川夏珠、ウリジミス、阿部奈穂子、大竹彩子、高橋大門
指導教官:菊地良夫

 

1.問題提起
日本に渡ってきた外来の祭りはたくさんあるにもかかわらず、特にクリスマスがこれほど定着したのはなぜか、また宗教的なことをはじめ各々は疑問を持ちながらも毎年クリスマスを祝うのはなぜか考察したいと考えたため。

2.発表内容
・ 事前にコロキウム参加者に行ったアンケートの結果などをもとに、現代のクリスマスの様子を説明。
・クリスマスに関する事物の起源についての説明。
・日本のクリスマスの歴史についての説明。
・世界各国のクリスマスの様子を紹介。
・論点
・考察

3.論点
なぜクリスマスが定着したか。以下の要因を挙げ考察した。
(1)クリスマスそのものに広まりやすい要因があったのか
考察→産業的に利用しやすい性質を含んでいた。
   クリスマス関連のデザイン、キャラクター等が宗教的背景に無知でも関心を引き付ける力があった。
(2)日本人に受け入れやすい要因があったのか
考察→戦後大量に流入したアメリカ文化のひとつとして単純に受け入れた。
(3)第三者の意図によるものか
考察→キリスト教を普及させるために先に広められた。
   商業的意図があった。

4.議論の流れ
(1)レジュメ・資料への質問
・靴下にプレゼントを入れる行為はいつ頃のクリスマスから始まったのか→調べていませんでした。聖ニコラウスと靴下の話は逸話。
・日本にはクリスマスのように特別な人物を祝う祭りはあるか→ないと思われる。
・キリスト教以外の宗教が主要な国ではどうか→イスラム教(サウジアラビアなど):基本的にはクリスマスはないが、外国人がよく集まる場所にはツリーなどの装飾。ヒンドゥー教(インド):都市部のショッピングセンターなどではクリスマス用の装飾。それほど普及していない。
(2)議論
・論点の(1)について:クリスマスは正月に近く、また正月は家族と祝うもの、クリスマスは友人等と祝うものという認識の違いがあることに要因があるのではないか。
→高度経済成長の時代は核家族化が進み親子の絆を強めることが重視され、クリスマスと家族のつながりが強かった。当時子どもだった世代が成長し親元を離れた後も「クリスマスは特別な日」として友人などで集まり始めた頃から変化してきたのではないか。 
→クリスマスには、他の外来の祭りにはあまり見られない、サンタクロースやクリスマスカラー(赤、緑)など明確なシンボル性を持つものがあるからではないか。
・贈与論的には、正月のお年玉のように親から子へ直接手渡すのではなく、サンタという第三者が介在していることが重要なのではないか。
・論点の(2)について:日本人の宗教的に寛容だから。そのため商業的にクリスマスを利用することも寛容な姿勢で推し進めることができたのではないか。

5.反省
反省点として、アンケートにプレゼントに関する項目を入れなかったこと、考察を深め、そこから考えられる日本人の文化的性格を話し合うところまで進められなかったことが挙げられる。また以前のコロキウムで「クリスマス」を扱ったときの資料や情報を利用できなかったことも残念だが、自分たちなりの資料集めや考察ができたことはよい経験になったと思う。