文化論コロキウム G班報告書
テーマ 「韓流ブーム〜WHO IS ヨン様?〜」
発表日 2004年12月16日
発表者 佐藤賢司 山崎俊 山本紗織 北野佳恵 菊池美穂
担当教官 杉浦直
〈問題提起〉
韓国ドラマ「冬のソナタ」が中高年の女性を中心に話題となり、このドラマの主演ペ・ヨンジュンをはじめ、他の韓国芸能人の人気も高まった。これまで底流にあったと思われる韓流が熱を帯び、一大ブームになったわけだが、これほどブームになったのはなぜなのか、そしてこのブームの意味するところは何かを考えてみた。
〈発表内容〉
1、はじめに
2、韓流ブームのきっかけ(「冬のソナタ」ダイジェスト映像を流す)
3、メディアから見る韓国
4、韓国旅行ブーム
5、他国での韓国ブーム
6、韓国での反応
〈論点〉
1、「冬のソナタ」が受けた理由は?
2、韓流ブームの意味、影響、そしてこれからは?
〈考察〉
1、ストーリーまたはキャストの魅力
2、「韓国」に対するこれまでのイメージの一新
日本の芸能事情が一変
これから先当分韓流は続く(定番になる)
〈議論の流れ〉
1、レジュメに関する意見・質問を尋ねる。冬ソナの視聴者層やブーム全体の経済効果の具体的数字についての質問が出た。また、韓流ブームを構造的に考えてはどうかという意見も出た。
2、グループ討論で意見を出してもらう。私たちが出した「ブームは続く」という考察に対して、意見が分かれた。ペ・ヨンジュン人気が下火になればブームも終わる、一国の文化なので奥が深くすぐは終わらない、1つのジャンルとして成立していくのではないか、若者に支持されるには笑いが必要といった意見が出された。
3、議論に入る。互いの言語を理解できるようになればもっと深いブームになるのではないか、それに伴ってBoAやユンソナのような人が増えればもっと浸透するのではないかとの意見に対してペ・ヨンジュンとBoAを一緒に考えるのは短絡的だとの反対意見が出された。「今まで一国の文化がブームになったことはあるのか」という質問に対しては、一国の文化はで無いがハリウッドに代表されるアメリカ映画は大衆文化の一ジャンルとして定着している、一時インド映画ブームがあったがこれは一過性で今の韓国ブームとは違う、極端に言うと韓国がアジア大衆文化の発信の中心になるのでは、韓国が社会的に認められてきているなどの意見が出た。「冬ソナが受けた理由」については、ペ・ヨンジュンの微笑み、ドラマの中の優しさ、ドラマ自体の物珍しさ、日本の60年代のようで、その時代に青春を送った世代が今ペ・ヨンジュンに夢中になっている人たちだなどの意見が出た。また、冬ソナの内容について、韓国の儒教社会が関係しているといったものも出て、それに伴って、かつての日本で儒教的な考えに従い家族のために生きてきた今の中高年層が恋や愛を求めている、また、韓流スターの追っかけをしているのはかつて宝塚やアイドルの追っかけをしていた人たちだとの分析も出された。
〈まとめ〉
韓国ブームという、今年最も話題になったといってもいい話題を取り上げたが、私たちが思っていたよりも今の学生が韓国ドラマを見ていることに驚いた。韓流が日本社会に浸透した理由は儒教社会の思想や純愛など今の日本に見られない要素があったからだと考えたい。議論の最後は冬ソナとペ・ヨンジュンが受けた理由のほうに話が向かい、韓流ブームの日本の大衆文化における意義について考察を深められなかったが、いつも以上に活発な議論が交わされ、今期一番盛り上がったと思う。
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