平成16 (2004) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2004年05月21日 (金) 12時24分 Web 掲示板投稿

 

  

 5月27日の文化論コロキウムでは「女装・男装」について話し合いたいと思います。
 宝塚、能、狂言など日本には何故、異性の格好をする文化が広まっているのでしょうか。そもそも、女性がズボンを穿くのは異性装なのでしょうか。

 さまざまな論点が考えられそうです…よね?

 皆さんの活発な意見を期待しながら頑張ります!よろしくお願いします。

 



発表報告2004年06月15日 (火) 12時54分 Web 掲示板投稿

 

 

 文化論コロキウム C班報告書

 

 テーマ:「どうなの?異性装」
 発表日:5月27日(木)
 発表者:三谷、佐藤(万)、菊池(美)、後藤(さ)、見上
 指導教官:池田成一

  

○問題提起

 日本においては、歌舞伎や宝塚など伝統芸術で多くの人々に異性装が受け入れられている。
 しかし、やはり実生活の世界では馴染みのない問題ではないだろうか、ということで実生活における異性装について改めて考えたいと思った。

○発表内容

 (1)世界の歴史に見られる異性装
 (2)女性とズボンの歴史
 (3)日本の伝統芸能と異性装
 (4)異性装の現状
 (5)法律における性同一性障害・異性装問題
 その他、資料の提示、周囲の人との話し合いの時間を設けた。

○論点

 (1)何故、女装より男装のほうが受け入れられやすいのか
 (2)どこからが異性装と呼べるのか

 →私たちの考察
 (1)男装のほうが全体的な数が少ないので女装より問題にされないのではないか。また、男装は長い歴史の中でその立場を確立してきた。
 (2)服装など見た目の問題というよりは本人と周囲の意識の差ではないか。

○議論の流れ

 まず、質疑応答で異性装の全体的な現状はどうなっているのかという質問が出された。提示した資料もあくまで一部分であり、男装の具体例を提示できなかったため、議論の際に資料不足となってしまった。また、歴史中や伝統文化に見られる異性装と日常生活の中での異性装とは違うものではないかという意見が出された。私たちとした日常と非日常の差についても考えてみたかったのだが、日常の中と芸術の中での異性装は全く別物ではないかという意見が出された。別の論点のほうが議論しやすいという意見もあったが、といあえず当初のままで議論に移った。
 議論が進むにつれ、「女性がズボンをはく=男装」なのかどうか、というところに論点がおかれた。歴史的にある時点まではそうであったが今はそうではない、という意見と、それに伴い女性がズボンをはくようになったのは機能的な問題が大きいが、女装はそれに反しているのは何故だろうかという疑問が出された。

○反省・感想

 ・発表に時間がかかりすぎて議論に十分な時間が取れなかった。
 ・図版資料など多くの資料を提示できたのはよかったが、それが論点とかみ合わなかった。色々な切り口があるテーマだけに、提示しすぎた。
 ・論点の設定が甘く、具体的な話し合いができなかった。何を問題にしたいのか、考察の矛盾、発表と問題点の関係などが質問として出されたのはこちらの準備不足だった。
 ・やはり準備の早い段階で具体的な問題点を設定するべきであると感じた。今回は発表者の中で方向性が定まらなかった。