平成16 (2004) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2004年06月04日 (金) 12時45分 Web 掲示板投稿

 

  

 6月10日の文化論コロキウムは日米の恐怖感(観)の違いについて話し合いたいと思います。

 ホラー映画をとりあげて、日本人とアメリカ人がどのような種類のホラーを好むのかを比較して、日米の恐怖感の違いの本質に迫りたいと思います。

 実際に上映しますのでみなさん楽しみにしてください。

 



発表報告 2004年06月22日 (火) 23時57分Web 掲示板投稿

 

 

 文化論コロキウム E班報告書

 テーマ:「貞子とジェイソンどっちが怖い!?〜日米恐怖感の違い〜」
 発表者:澤田萌 高橋真友子 新井田萩子 阿部奈穂子 大竹彩子 桑原俊介
 指導教官:山本
 発表日:6月10日

○問題提起
 アメリカと日本のホラー映画にはかなりの違いが見られる。そこで、このようなホラー映画の違い、つまり日米の恐怖感の違いはなぜ生じるのかという問題を提起した。

○発表内容
 まず、ホラー映画の定義づけをし、日米のホラー映画に見る恐怖感の違いについて述べた。そして具体的な比較として、日米2本ずつホラー映画を流し、気づいた点を発表してもらった。

○論点
 恐怖感の違いはなぜ生じるのか?
 私たちの考察→・埋葬方法の違い
        ・恐怖映画のストーリーに求めるものの違い

○議論の流れ
 まず、質疑応答で、恐怖感の違いというより、ホラー映画の恐怖のあおり方・題材の特徴の違いではないのかという指摘があったが、映画での恐怖のあおり方は対象である日本人またはアメリカ人の恐怖感を判断し、それに最も効果的な演出をしていると推測し、恐怖感の違いということで納得してもらえた。
 議論では、まず私たちが想定した埋葬方法の違いという考えに対して、これはホラー映画の演出に影響を与えないのではないかという意見が出された。恐怖感の違いは、日本で火葬が始まるより以前の長い文化の歴史の中で生じてきたのではということだった。宗教的な違いとして、「呪怨」にはアニミズムがあるが、キリスト教にはなく、前世のたたりという考えもないことが、違いが生じる原因なのではという意見も出た。ストーリーに対しては、アメリカは映画内で解決できる恐怖、日本は結末が曖昧で後をひく恐怖を好むのではという考察に賛同してもらえた。また、私たちは日米のホラー映画の対比的特徴として「呪怨」と「13日の金曜日」をあげているが、同タイプの映画はどちらにもあるという指摘もあり、他作品ももっと考慮に入れるべきであった。

○反省・感想
 具体的な例として、発表の中でホラー映画を何本か流せたのはよかったと思う。ただ、映画を見た後に違いを述べてもらったが、その後のフォローがうまくできず、進行の仕方がもっとうまくできればよかった。また、自分たちも授業で流した分の映画しか見ておらず、それだけで考えてしまっていたので、もっと幅広く考慮すべきだったと感じた。