文化論コロキウムI班報告書
テーマ:「ゴキブリ」
発表日:2004年7月8日
発表者:浅利純子 藤井優子 高橋大門 八重柏さゆり 澤田粧子
指導教官:池田成一
○動機と論点
当然のように「ゴキブリ=嫌」と思い込んでいた自分達の感覚に疑問を抱き、ゴキブリがこんなにも嫌われ者になってしまった理由を考えてみたいと思った。そこで論点を「何故、ゴキブリは嫌われているか?」に設定した。
○発表内容
アンケートの結果として、コロキウム参加者の多くがゴキブリに嫌悪感を抱いていることを示した。それをもとに、なぜゴキブリが嫌かについて意見を求めた。その後わたしたちが立てた仮説を二つ挙げ、ゴキブリが登場する映画や漫画などの具体例を提示しながら、発表者側の見解を詳しく説明し、さらに意見を求めた。
○議論の流れ
ゴキブリのどこが嫌かという問いかけに「脚のギザギザ、触覚が嫌」「手にくっついてくる感じが嫌」また、「流線形で未来的な感じが格好いい」といった意見が出た。
実物を見たことがない人の嫌いな理由としては、周囲の影響(皆が嫌いと言っているから、本を読んで嫌いになった)が挙げられた。ゴキブリに限らず虫が嫌いな人の理由としての「若い人たちは幼児期における虫との接触の機会が少ないためではないか」という意見に対して「幼児期は平気だったが成長につれて虫嫌いになった」ともあり、文化的刷り込みや周囲の影響、清潔志向の影響により虫嫌いの傾向が益々強まったのではないかと考えられる。また岩手ではゴキブリよりも目にする機会の多い嫌われる虫の例としてカメムシが挙げられたが、「ゴキブリとカメムシのどちらがより嫌いか」という問いに対しては「ゴキブリ」と答えた人のほうが多かった。終盤には「人間は家宅侵入する物に対して嫌悪感を持つ」「プライバシー空間とはある意味‘文化’であり、家の中(聖域)に出るからゴキブリは嫌われているのではないか」また、「ゴキブリは文化の中で明確に位置づけられておらずイメージがはっきりしないから嫌われているのではないか」といった意見が出された。
○感想と反省
内容が多すぎたため、発表時間がかかりすぎてしまい後半の説明も手薄になって、議論に充分な時間を掛けられなかった。発表内容を簡潔にまとめておくべきだった。他にも資料配布時の手際の悪さやアンケート結果をもっとうまく利用できたのではないか、など反省点は多いが、ゴキブリについての知識は随分増えて詳しくなれた気がする。
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