平成17 (2005) 年度「文化論コロキウム」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2005年05月12日 (木) 13時36分 Web 掲示板投稿

 

  

5月19日の文化論コロキウムのテーマは・・・

「日本人と桜」です!

 あなたは今年お花見をしましたか?春になると桜の木の下でお弁当を広げて、お酒を飲んで・・・このような光景や習慣は、世界広しといえど日本だけではないでしょうか?その日本人でも、チューリップやタンポポを見たところでお花見をしようとは言いません。はるか昔から歌に詠まれ、着物や校章のデザインなどにも取り入れられてきた桜。なぜ、日本人は知らず知らずのうちに桜を特別扱いするのでしょうか?皆さんで考えていきましょう! 

 

発表報告2005年05月25日 (水) 09時50分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウム A班報告書

テーマ 「日本人と桜」
発表日 2005年5月19日
発表者 幸村和美 山本紗織 朴素延 小番麻美 小野大和 藤島名帆子
指導教官 杉浦直

<問題提起>
 日本人にとって馴染み深い花、桜。文学の中でも多く取り上げられ、お花見は春の行楽行事として定着している。世界的に見ても日本のように一つの花を特別に扱い、お花見文化がある国はない。そこで、なぜ日本人は桜に対して特別な思いを抱き、好むのかということについて考えてみた。

<発表内容>
1、桜の品種
2、桜の歴史
3、花見の歴史
4、文学の中の桜
5、今の生活の中の桜(商品、シンボルマーク)
6、他の花との比較(梅、菊)
7、外国との比較(欧米、アジア)

<論点>
・日本人にとって、なぜ桜は特別なのか?

<考察>
・日本人の思想や文化(武士道、侘び寂び、花見)
・生物学的理由(品種改良、土壌、自生種)
・政治的、対外的理由(軍国主義、シンボル)

<議論の流れ>
 初めにレジュメに対する質問、意見を挙げてもらった。歴史や文学、桜の持つイメージについてのイメージについての質問が多く出された。また、考察の日本人の思想や文化について詳しく説明し直した。
 次にグループ討論に入った。各グループからは、春を象徴する花で目立つからではないか、新年度が始まる時期と重なるので花見が行われるのではないか、儚く散ってしまうイメージが日本人の侘び寂びの心と重なるのではないか、などの意見が挙がった。
 各班から出された意見を基に、議論に入った。議論の初めに、侘び寂びと桜がどのように結びつくのかという質問が出た。それに対して、桜が散っていく様子は侘び寂びとは意味が違うのではないかという意見が出された。また、桜の生態や形態によって多様な解釈が出来、その解釈は時代によって変わるため、桜は色々な側面を持っているのではないかという意見も出た。
 A班から「満開になっていく時の桜と、散っていく時の桜ではどちらが好きか」という質問をしてみた。これに対して全体の3分の2が散るときと答え、散る姿の方が綺麗、雪のように見える、時間的に散るほうが短いから好き、という意見が出された。また、咲く時と答えた人は、満開になる姿にパワーを感じるという意見だった。一口に桜といっても、人によって抱いているイメージや見方は異なり、現代でもその解釈は同じではなかった。

<まとめ>
 グループ討論の後、出された意見を基に上手く展開出来ず、深められなかったことが残念。資料は多く集められたが、それらを生かし切れなかったように思う。しかし、初めに考えていたよりも、学生から質問や意見が多く出たので良かった。また、考察で挙げたこと以外にも様々な意見が出て、新たな視点で桜を見ることが出来た。コロキウムの後A班では、春になると日本中いたる所で桜を見ることが出来、メディアでも取り上げられるため、幼い頃から現代の日本人の意識の中に桜が特別な花として認識されるのではないかという意見も出た。