文化論コロキウム F班報告書
テーマ『コンビニ。』
発表日 2005年6月23日
発表者 杉浦幸恵 鈴木優華 大竹彩子 中川明香 上野香織 朴柱恩
指導教官 杉浦直
○問題提起
普段何気なく利用しているコンビニだが、最近更にその店舗数が増えている。その名の通りとても便利だが、本当に便利なだけなのか。コンビニエンスストアの誕生から現在に至るまでをふり返り、本当のコンビニエンスとは何か考えてみたいと思った。
○発表の流れ
始めにコンビニの定義やコンビニの歴史について述べた。次にコンビニの特徴、スーパーとの違いや、統計資料をもとにコンビニが生活の中に普及していることを述べた。また、近年のコンビニの新しい機能や新形態のコンビニなどを紹介した。さらに、コンビニ利用者の年代に関する資料や、海外でのコンビニの例として韓国でのコンビニ事情を挙げた。
○論点
コンビニの便利さとそこに潜む落とし穴 〜コンビニを切り口としてコンビニが象徴する消費生活文化の特質とそこに潜む問題点について考える〜
○F班の考察
・現代日本の多様なニーズに対応しているが、多様すぎて若者への悪いニーズにも対応してしまう
・健康志向のニーズから消費文化の見直しがなされ、コンビニもスローフード(ナチュラルローソンなど)への転換を期している
・その時必要な物だけ手に入るという他のスーパーの間に合わせ的な消費
・独身者に便利→1人でも生きていける社会というものに対応している反面、面倒なことを避けてしまう「コンビニ依存症」の危険性
○議論の流れ
始めにレジュメに対する質問・意見を挙げてもらい、回答した。コンビニの経営状況や細かい規定についての質問がいくつか出た。また、ヨーロッパなど世界のコンビニについての質問が挙がり、詳しく答えた。 次に、「コンビニの便利さとそこに潜む落とし穴」という論点に即して、コンビニの良い点、悪い点を班ごとに挙げてもらった。良い点では、24時間営業や品揃えが良いといった、F班がコンビニの特徴として挙げたものが意見として多くみられた。一方悪い点としては、食生活の乱れや犯罪の対象となっていること、若者の溜まり場になっていることの他に、明るすぎる照明の悪影響や車の出入りによる騒音という意見も出された。ここでF班の考察として、コンビニが多様なニーズに応えることによって悪影響にもなっていること、間に合わせ的な消費となっていることなどを述べた。 小林先生から二点、コンビニが忙しい生活に対応した「主婦の代わり」になっていること、接客のマニュアル化による人間関係の希薄化という意見が挙げられた。これに対して、田舎ではコンビニでもコミュニケーションが盛んだという意見があり、地域や客層によってコンビニにおけるコミュニケーションには違いがある、となった。 また杉浦先生から、トイレの利用など 、コンビニが生活の中に入り込んでしまっているため「コンビニ依存症」になっているという意見が出た。ここに、マニュアル化されて気軽に利用出来るようになっているフランチャイズ制(コンビニのチェーン化)の落とし穴がある、となった。
○まとめ
質問が思ったより多く、予想していなかった質問も出され回答できなかった部分も多かった。これに関しては調査不足と反省している。また他の班より時間が少ない中で、班ごとに意見を述べてもらったことが時間のロスに繫がったように思う。司会も、議論をより発展させるような流れを作れなかったので、これも反省点として挙げる。
議論に関して、「コンビニの便利さとそこに潜む落とし穴」とし、議論が発展した場合は、コンビニが象徴する消費生活文化の特質とそこに潜む問題点について話し合いたいと考えていたが、後者を生徒の皆さんとあまり活発に議論できていなかった。しかし前者に関しては多様な意見が出され、F班の考察に加えて改めて論点について考えることが出来た。
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