コロキウムH班報告書
テーマ 『小学校からの英語教育』
発表日 2005年7月7日
発表者 大橋沙織 桑原俊介 佐藤藍 小鹿茉衣子 駒形幸子 松田健作
指導教員 池田成一
【問題提起】
現在文科省では、小学校で英語を教科として導入しようと政策が進められており、多方面から議論がなされている。 そこで、小学校での英語教育、また日本の英語教育の問題点などについて考えてみたいと思う。
【構成】
日本の英語教育史、文科省の動き、外国の事例、などを紹介し、その後今回取材を行った岩手大学教育学部付属小学校の英語授業の様子を10分強のVTRで紹介する。その後、専門家の意見などを紹介しながら、各班で議論してもらう。
【論点】
小学校からの英語教育について賛成か、反対か。 何のために英語を学ぶのか。
【議論の流れ】
質問としては、現在行われている小学校での英語教育のデータやその成果などの実態、また小学校から始めることの影響についてや、中国や韓国での英語教育の方法や成果について出され、それに回答した。また、VTRについても、「英会話スクールなど、塾に通う子はクラスの中に何人ほどいるか」や「VTR中の小学生の学年は?」などの質問が出たため、これに答えた。 その後、グループごとに賛成か反対かを決めてもらい、その論拠を述べてもらった。しかし、どちらか一方にかならず決めてもらうことはせず、グループ内での賛成、反対それぞれの意見を述べてもらった。
賛成する人の意見としては「小学校から始めれば、苦手意識や恥ずかしさを克服することが出来る」が最も多く、他にも「国際理解やコミュニケーション能力育成に役立つ」という意見が出た。
反対意見としては「英語の早期教育より、国語など他の教科がおろそかになるのでは」という懸念が多く出された。他に、「中学校などの学習体制が変化しなければ効果は出ない」という意見も出た。
また、どちらともいえないという結論に達したグループもあり、その論拠としては、「日本語のわからないうちにやると、良くも悪くも吸収が早い」、「受験のための英語教育という目的で行うのであれば、小学校からやることに意味はない」などであった。
【まとめ】
小学校からの英語の教科化には賛成できない。しかし、付属小学校のような、コミュニケーション能力の育成が目的である授業ならばあってもいいのではないだろうか。重要なのは、ただ単に「英語を教える」ということではなく、英語教育の本当の目的を、教える側の人間がきちんと理解をし、その目的を達成するために努力をすることである。
【反省】
今回の議論では、賛成反対の意見がそれぞれ満遍なく出たため、テーマとしては非常に良かったと思う。取材を行って、その様子をVTRにして流すこともできたので、実態をつかみやすくできたのではないだろうか。
しかし、時間配分が悪かったため、議論の時間があまり取れなかった点が一番の反省点である。原因としては、前半の発表に時間をかけすぎたことであったとおもう。VTRを使うことをもっとよく考えて発表すればもっと時間に余裕が持てたとおもう。
さらに、小林先生にご指摘いただいた、「資料が必要以上に多い」ということも最もであった。具体的な資料ももちろん大切ではあるが、議論をする時間を考えれば、削減できた資料もあったことは十分反省に値する。
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