平成18 (2006) 年度「文化論コロキウムIII」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2006年05月16日 (火) 19時25分 Web 掲示板投稿

 

  

今週のコロキウムは、「ソーシャルネットワーキング」についてです。

主にミクシィについての内容になると思います。
ミクシィのHPにも目を通しておいてください。

http://mixi.jp/

 

発表報告2006年06月06日 (火) 15時16分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウムIII 2班報告書

テーマ ソーシャルネットワーキングサービス
発表日 2006年5月18日
発表者 阿部明子 安藤寛菜 小鹿茉衣子 小田那津子 土川育美
担当教員 後藤尚人

〈発表内容〉
  1.SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とは
  2.mixi(*日本でのSNSの代表例)について
  3.mixiの問題点
  4.SNSに関する犯罪
  5.考察
  6.論点 SNSはなぜ今登録数が増加し、流行しているのか。


〈考察〉
  本名をインターネット上に公開することで、相互監視のような状況に陥るが、家にいてもSNSで他人とのつながりを実感し、安心したいから流行するのではないだろうか。
  つまり、恒久的に抱える不安をSNSでのコミュニケーションによって解消しようとしている。
  ただし、mixiが匿名でないことにつけ込んだ様々な危険があるので、公開する内容は充分注意しなければならない。


〈議論の流れ〉
  まず、何故今SNSが流行するのかという論点について、班毎に話し合って意見を出してもらった結果、多くは招待制や足あと機能、個人情報の公開による安心感と、連絡や交流のし易さによる利便性が利用を増加させているのではないか、という意見が多く集まった。
次に犯罪などに結びつきやすいという面を持ちながらなぜSNSが社会的に流行が起こり始めているのかということについて話し合ったところ、危険性を実感することがないからではないか、という意見が出た。
  そこで、前の班が発表したブログとSNSを、ここでは具体的にmixiについて、比較して考えてみることにした。ブログでは友人にしかしない話を書くのに対し、mixiでは一般的な話を書く、という意見が出た。これはブログではURLを教えている友人以外からの反応はどうでもいいものと考えられているのに対し、mixiでは個人を特定できるので、ただの知り合いに対しても配慮して日記などが書かれている、という特徴を示している。このことから、SNSは現実社会と同じような構造を持つ、仮想社会の中での現実社会のようなものではないか、という意見が出された。
  ここで資料として『ウェブ進化論』(梅田望夫著、筑摩書房、ちくま新書、2006年)に記載されているSNSについての考察を配布した。そこで「人間検索」となり得るかもしれないSNSの危険性について考えたところ、情報が正しいものか分からないままでは、正確な検索は不可能ではないか、という意見と利用目的がはっきりすればその価値が生まれ、様々な犯罪が行われる温床になるのではないか、という意見が出された。実際に商用目的として利用する場合はまだ現在の段階では大きな犯罪は考えられないかもしれないが、安易に情報を公開することの危険性が改めて認識された。


〈まとめ〉
  今回の発表では、SNSの危険性が大きく取り上げられ、また提示した資料もマイナス面を押し出す形となったため、否定的な意見に偏ってしまった。また、話し合いはスムーズに進行されたが、議論らしい議論や参加者からの意見が少なく、幅広い意見や見解が得られなかったのも残念である。利用者が、発表班が考えていたよりも少なかったのも、議論を進めていく上で大きな障害となった。
  事前の準備などはスムーズに行えたので、本番の発表も無理なくこなせたと思う。
  今後は発表の段階で意見の偏りを少なくし、参加者からも幅広い意見を求められるようにしていきたいと思う。