平成18 (2006) 年度「文化論コロキウムIII」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2006年05月15日 (月) 17時17分 Web 掲示板投稿

 

  

3班のコロキウムのテーマは「占い」です。
現代人にとっての占いについて考えていきましょう。

 

発表報告2006年06月07日 (水) 10時26分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウムIII 3班報告書

テーマ 現代人と占い
発表日 2006年5月25日
発表者 後村江后子、吉田厚子、小松健太郎、佐藤麻衣人
担当教員 杉浦 直

1.問題提起
 占いは、昔から人々の間で広く行われてきた。現代においては、テレビの占い番組が定番化したり、女性週刊誌などに占いが掲載されたりしている。そこで、人々は占いに何を求め、その背景には何があるのかを考えてみた。

2.発表内容
・占いの定義・歴史・種類
・占いと現代のメディア(書籍・テレビ)

3.論点
現代人は占いに何を求めているのか?

4.考察
・生活の指針
・相談相手的な役割

5.議論の流れ
 始めにレジュメに対する質問を受け付け、その後、論点に対して、グループで話し合ってもらった。グループからの主な意見として、占いは当たるかどうか分からず、そのため都合よく解釈でき(精神安定化作用)、悪いことが起これば占いのせいにできる(責任転嫁)というものや、動物占いのような占いにおいては、ある分類に属していることで安心感を得られる、テレビで見る占いは一時的な娯楽や気休めに過ぎないというものが出された。また、占いに頼るのは何らかの不安があり、そのため占いによって一時的に安心感を得ようとしているという意見も出された。
 次に個人から意見を出してもらった。そこから、テレビ番組における占いでは、占いがあることを意識してそれを見ている人と、見ていたらたまたま占いが映ったという人に大別できることが窺えた。占いを楽しむためにテレビを見たり、雑誌を買ったりするのは少数だった。
 占い師に占いをしてもらったという人が数名いたが、その中でも、占いは当たらないということを前提において、その時の安心感だけを求めるタイプと、本当に答えやアドバイスを求めて占ってもらうタイプとに分かれた。
 この議論の中で、占いに求めているのは、一時的な娯楽や、不安感を解消し安心を得ること、自力で解決できないことへの解決の糸口が主なものであると推察できた。しかし、その占いをどのように捉えるかには、何通りかのタイプがあり、一様ではないことが判明した。

6.考察
 以上のことを踏まえて3班ではさらに話し合い、次のように考えた。
 現代人は占いに安心感を得ることを求めている。現代人は自分の将来や学業、人間関係など、社会の中に様々な不安を抱えている。
 テレビで放送されている占いは一時的な気休めでしかなく娯楽であるが、占い師は一種のカウンセラーのような役割を果たしている。現在の日本はカウンセリングの制度の基盤が弱く、カウンセリングを受ける人に対しての偏見があり、不安を打ち明けることができる場所が少ない。そこで占い師に不安を相談して道を示してもらい、不安を聞いてもらうことで安心感を得、その埋め合わせをしている。また、悩むことを拒否したり自分で答えを出したりすることに不安がある人は占いに答えを求め、それを行動の指針としている。     また、動物占いや血液型占いなどでは「自分がどういう人間か」に注目して自己認識をし、ある一定の分類に属することへの安心感を得ている。
 結局、占いが当たるか当たらないかは問題ではなく、占いによって不安をなくし、安心感を得たという実感を得られることが重要なことである。