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文化論コロキウムIII 3班報告書
テーマ 現代人と占い2
発表日 2006年7月13日 発表者 後村江后子、吉田厚子、小松健太郎、佐藤麻衣人 担当教員 杉浦 直
1.問題提起
前回のコロキウムの発表では、占いには人々の不安を解消する作用があり、現代人は占いにそれを求めていることが窺えた。そこで今回は、現代人はなぜ占いによって不安の解消を図るのか、占いに取って代わるものはないのか、そして占いは社会にとって必要なものなのかを考えてみた。
2.発表内容
・前回の議論の流れ、考察
・今回用いる占いの定義
3.論点 占いは社会的に有用か無用か?
4.考察
・占いは必ず何らかの答えが導きだされ、しかもそれは超越的なもの。
・未来を予測できるのは占いだけ。
よって占いは社会的に有用である。
5.議論の流れ
始めにレジュメに対する質問を受け付け、その後、論点に入る前に「なぜ現代人は占いに不安解消を求めるのか」、「そのような作用を持つ占いの代替となるものはないのか」をグループで話し合ってもらった。 前者に対する主な意見として、未来が分かるというものやコミュニケーションを求めている、自分を分かってもらいたい、宗教やカウンセリングよりも気軽にできる、困った時のその場しのぎ、豊富な適用データがあり占いに自分を当てはめるといった意見が出された。
後者については、心理テストや宗教、カウンセリング、お守り、人(友人や家族など)が挙げられた。 これらを踏まえて、次に論点について個人で意見を出してもらった。有用とする意見としては、占いは商業的市場があり有用であるように作られているという意見や、信じるかどうかが自由であり、現代の風潮に合っている、神秘性とエンターテイメント性がある、カウンセリングは敷居が高い、政治に用いられていた背景があり信じ易いという意見が出された。
無用とする意見としては、カウンセリングがより充実すれば占いに頼ることは減るというものが出された。しかし、それで解決できなければ占いに頼るという意見や、もしカウンセリングが発達しても、占いの持つ神秘性が強調されて残っていくという意見も出された。
6.考察
以上の議論を踏まえ班で改めて話し合い、私達は、占いは社会的に有用であると結論付けた。人間は生きていれば何かしらの不安や悩みを抱える。そうした時に占いを頼り、それによって救われている人がいるのは確かである。 また、人間には未知のものや超越的なものに頼り、すがりたいという性質がある。将来、カウンセリング制度が充実されれば、占いに頼る人は減少するかもしれない。しかし、人間にこのような性質がある限り、神秘性を持つ占いはなくならず、人間が生きるために頼る選択肢の一つとして、占いは有用であり続けるであろう。
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