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文化論コロキウムIV E班報告書
テーマ 飲酒運転撲滅なるか!? 発表日 2006年12月7日
発表者 駒形幸子、中川明香、セツイン、伊藤玲沙、小田那津子
担当教員 小林英信
1.問題提起
近年様々なメディアで教師が取り上げられている。教師と生徒を扱ったいわゆる学園ドラマが人気を呼び、それに憧れて教師も目指す人も少なくない。一方で現実の教育現場では教師による不祥事やいじめなどの問題が横行し、教師は今その真価を問われている。現実と私たちが求める教師像とはなぜ隔たりがあるのか。
2.発表内容
現実と理想の教師像にギャップが生じるのはなぜかという議論を進めるにあたり、まず教師の現状として不祥事等の例を挙げ、次にドラマで描かれる教師とそれらへの一般の人々からの支持率・評価を解説した。さらに人々が求める様々な視点からの教師像や、海外における教師について説明し、最後に現在の教師の仕事の実情がどのようなものかを述べた。
3.論点
ドラマで描かれる先生は、理想の教師か?
理想の教師とは何か?
理想の教師を育てるにはどうすればよいか?
4.議論の流れ
はじめの2つの論点について話し合ってもらった結果、ドラマの教師が理想であると考える人は少なく、人々に支持されるのは必ずしも理想の教師であるからとはいえないと考える班が大多数だった。また、現実には存在しえないという点では理想といえるという意見もあった。
理想の教師像に関しては様々な意見が出されたが、学習指導という面に限っては、総じて必要な知識を教えることができるという条件が求められていた。学習以外における対応への希望にはばらつきが見られ、生徒の個人的側面にはあまり干渉しない方がよい、あらゆる生徒の要求にこたえられるのが望ましい、生徒のために親身になれることが大切である、など多様な見解がみられた。また、小学校・中学校・高校と段階が進むにつれて教師に求められる役割の量や内容は変化するものであり、さらに個人によっても異なってくるので、一概に「理想の教師」を定義することはできないのではないかという意見も多く出された。海外の教師のあり方についても興味深い意見が寄せられた。ロシアでは各分野の専門的知識をもった教師が学習の熱心な指導にあたっているとのことだったが、欧米では主にこの傾向がみられ、道徳や体育といったものは地域や家庭がその役割を担っていることから、日本の教育における役割の性質が特殊であるということが明らかになった。
5.考察
E班の考察と今回の議論から、ドラマにおける教師は理想であるとは言いがたく、理想の教師とは、まず前提として信頼に足るべき人間性と教育に対する誠実な姿勢を兼ね備えており、生徒一人一人の要求にこたえ、豊富な知識をもって適切な学習指導ができる人物であるという結論に至った。しかしそのような理想を実現するのは現状では困難であり、今の教師の役割を制度的側面などから見直し、教師に余裕を与えることが必要である。
6.反省
理想の教師という表現が曖昧だったせいもあり、活発な議論を引き出すことができなかった。また時間の都合でまとめとなる3つ目の論点についてほとんど話し合うことができなかった。発表側がスムーズに議論を進めることができず、レジュメの構成にも改善すべき点がみられたことも反省したい。
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