平成19 (2007) 年度「文化論コロキウムV」発表記録
  

 

 

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発表報告2007年06月05日 (火) 12時50分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウムV D班報告書

テーマ どうなる?!岩手の地域医療
発表日 2007年5月31日
発表者 小野奈海子 大久保悠 本間有華 工藤和子 古内謙
担当教員 杉浦直

1、発表内容・流れ
発表の初めに岩手日報の地域医療の記事を紹介して、参加者に「医師不足」が身近な話題であると認識してもらった。その後にレジュメを用いて現状・要因・対策を説明し、レジュメについての質問を受けた。その後二つの論点について、それぞれ話し合ってもらい、最後に、発表班の考察も交えて意見を出してもらった。

2、論点について
導入:医師不足を感じたことがあるか。
この質問には、活発に意見がでた。以下のような例を参加者から発表してもらった。
・予防接種をしようと思っても、病院を何件も渡り歩かなければいけない状況であった。
・骨折した際に入院したが、先生が一人しかおらず、1〜2時間待ちは当たり前だった。
・高齢者を病院に連れて行っても、入院させてもらえずに帰されてしまった。
このような例から、患者に対して、迅速かつ適切で、患者が満足するような対処が出来る医療施設が減ってきているのではないかと考えた。
論点1:現在行っている医師不足への対策には効果があるか。
  この論点は、理想的な地域医療にするためには、現在岩手県が打ち出している対策に効果があるかないかということ及び、新しい対策案があるかということについて話し合ってもらうものである。
  それぞれの班の発表では、今の対策には効果がないのではということと同時に、奨学金に魅力がないという意見が多数出た。また、今の対策に記されている奨学金を与える代わりの拘束期間が過ぎてしまえば、医師達は地域を離れて都会に出て行ってしまうのではないかという考えの班が多かった。また、地域に来ることへの特権を提示することや、病院の設備や環境を充実させるなど、お金以外の点でも多数の対策案が出た。
論点2:地域医療とはどうあるべきなのか。
  この論点は、これからどのように取り組んでいけば医師不足解消につながり医師側も患者側も円満な方向に向かうことが出来るかということについて考えてもらうものである。
  この論点については、医者というより福祉システムの充実を考えたほうが良いという班が多かった。私たちの班でも、医者に頼りすぎている現状を解消すべきという考察だったので、医師の負担を軽減するような福祉システム案には共感できた。
また逆に、地域医療の維持は医師達の良心に任せているだけでは無理なので、国や公的権力を使って医師を配置するという案も出た。医師を国家公務員としたり、医局制度に代わる新たな制度の構築で医師を確保するという内容だった。また、医療に当てられる財政不足の問題も医師不足につながっているので、財政状況の改善を提示する班もあった。

3、反省点
 「医師不足と感じたことがあるか」などの実体験の例は、参加者にも考えやすかったのか、たくさん意見が出てよかった。しかし、今回は医療の問題を扱ったので、専門的な内容に入ってくると活発な意見が交わせず残念だった。その原因として、発表班の説明の準備不足があったと思う。私達が意図しなかった範囲まで議論が広がってしまったので、対応しきれなかった。そのほかでも、簡単なレジュメに対する説明にもすばやく答えられなかったり、二つあった論点の関連をうまく説明できなかったために、私達が意図していたことを考えてもらうのに時間がかかってしまった。