平成19 (2007) 年度「文化論コロキウムV」発表記録
  

 

 

テーマ&要旨 2007年07月03日 (火) 23時18分 Web 掲示板投稿

 

  

 I班のテーマは「都市伝説」です。
 最近、様々なメディアで都市伝説の文字を見かけることが増えました。
 I班ではなぜ今都市伝説が人々の注目を集めているのか、また、その魅力はどこにあるのか皆さんと議論していきたいと思います。

 

発表報告2007年07月13日 (金) 11時14分 Web 掲示板投稿

 

 

文化論コロキウムV I班報告書

テーマ 都市伝説を考える
発表日 2007年7月05日
発表者 小田那津子、今良太、津嶋志寿子、福田香織、エフセエワ・エカテリーナ
担当教員 杉浦直

1.問題提起・発表内容
 最近メディアで都市伝説が取り上げられていることを受け、なぜ今、都市伝説が盛り上がりをみせているのかを出発点に議論を進めた。まず都市伝説の定義、歴史について説明した後、最近流行している都市伝説や、有名な都市伝説を紹介し、論点に移った。

2.論点
 1)なぜ今都市伝説が流行しているのか(今、とは昨年くらいから今年にかけてと定義)
 2)アニメなどの都市伝説に見られるように、幸せな物語によこやりを入れるのはなぜか

3.意見
 はじめに、都市伝説が流行しているとは言えないという意見が出た。昔からずっと都市伝説は身近に存在しているもので、改めて「流行している」といえるほど爆発的に流布してはいないという。他には身近だから、話がよくできているから、単純に面白いからという意見が多く、また、インターネットやテレビなどの影響を指摘する班もあった。面白いのは、日常と非日常のバランスが絶妙でスリリングだからという指摘もあった。
 昔からある都市伝説などと同じものかという問いには、ほとんどが昔の物語の焼き直しであるという意見を持っていたが、一方でインターネットの普及によって現代独自の都市伝説も発生したという意見もあった。
 バッドエンドが広く流布する理由については、意外性を求めている、単純なハッピーエンドでは予想できてつまらない、長寿アニメのマンネリ化に刺激を与えるため、終わらない話だから自由にラストを考えられるなどが挙げられた。また、人間には人のあら探しをする精神があるから、知名度が高い作品への感覚レベルでの反発、バッドエンドは自分が優越感に浸れる、などの理由を指摘した班もあった。

4.考察
 都市伝説は、以前からずっと身近に存在するものだったが、インターネットの普及や、メディアでの特集によって再び注目されるようになった。その内容は、民話や怪談の焼き直しが多いが、昔話ではなく現代のリアリティを持って語られている。また、伝達経路の変化によって、アニメの最終回など昔とは雰囲気の異なる都市伝説も流布するようになった。それらの最終回にバッドエンドが多いのは、ありふれたハッピーエンドへの退屈と嫉妬、また有名な作品への感覚的な反発などのためであるように思う。

5.反省
 論点の設定に説得力がなかったためか、論点そのものへの疑問、否定が出てしまった。
 意見、質問に応じた論点の提出をスムーズにできなかった。また、それに関連して論点からの議論の発展が十分ではなかった。