ゼ ミ 紹 介 

ゼミ番号

 

 

 

 

担当教員
氏名
後 藤 尚 人
講座
文化科学
テーマ
メ デ ィ ア の 探 索

【ゼミの内容】

 テレビ、新聞、ラジオなどから、私たちは毎日様々な情報を得ています。昨日起った出来事についても、皆さんはいくらか知っているでしょう。ところで、テレビのニュース番組や新聞に書かれていることは事実でしょうか? もちろん真っ赤な嘘は述べられていないはずです。とはいえ、報道を鵜呑みにするのは少々危険です。こういうと、なんだかマスコミ批判を展開するかのようですが、もちろんそれが目的なのでありません。
 これまで皆さんが学んできた教科書に書かれている《事実》も、実は結構危ういのです。「1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見」などというのはその典型です。その年にコロンブスが到達したのはアメリカ大陸ではなく西インド諸島だったというのも危うさの一因ですが、その後コロンブスがアメリカ大陸に辿り着いたとしても、「大陸発見」などと無反省的に言い切ってしまうところが問題です。先住民からすれば、単に「コロンブスとかいう西洋人がやってきた」だけの話なのでしょうから...
 このように、われわれが当たり前のように信じている様々な《事実》は、立場が違えば全く異なった価値を持ちます。とすると《事実》というのはかなり危うい概念だということが理解できるでしょう...
 これからメディアの探索を通して皆さんと共に明らかにしゆきたいのは、こうした視点の違いから生じる認識の多元性であり、複眼的思考の重要性であり、ひいては総合的判断力獲得への道筋です。
 いささかおおげさになってきましたが、題材は新聞やテレビなど、身近なものから選びますので、堅苦しく考えずに、自然体でゆきましょう。

【テキスト・教材】

 あらかじめ特に指定はしません。必要な資料はその都度配布します。

【教員の自己紹介】

 フランス文学の研究からいつの間にか記号論という領域に足を突っ込み、メディア関連科目の世話役などをやっています。アナログの世界をいかにデジタル的に切り取ってゆくかというのが当面の課題。10年くらい前から盛岡人。

(【2003年度「基礎ゼミ」の手引き】より)